訪問先のラオスで記者会見するブリンケン米国務長官=2024年10月11日、ロイター

 米国務省のミラー報道官は15日の記者会見で、ブリンケン国務長官とオースティン国防長官が13日にイスラエルのガラント国防相らに宛て、パレスチナ自治区ガザ地区における人道状況の改善措置を講じるよう求める連名の書簡を送ったと明らかにした。

 応じなければ米国内法によって軍事支援に影響する可能性があると示唆するものだが、イスラエル側が対応するかは不透明だ。

 ミラー氏によると、ブリンケン氏は今年4月にもガラント氏に書簡を送り、人道支援を増やすように要求。これに応じ、ガザへ入るトラックは多い日には300~400台に達した。

 ところが、この数カ月間は人道支援の水準が維持されず、「ピーク時より50%以上減少している」という。このため、支援を回復させるために措置を求めたという。

 会見に先立ち、米ニュースサイト「アクシオス」の記者は、当該の書簡の写しをX(ツイッター)に投稿した。

 これには、ガザの人道支援状況の悪化に対する懸念に加え、支援物資を運ぶトラックは1日最低350台が入れるようにすることなど、イスラエルに求める措置が具体的に記されていた。措置が講じられない場合は、米国によるイスラエルへの軍事支援に影響する可能性も示唆している。

 ミラー氏は会見で「措置が講じられない場合の対応」については言及を避けたが、「米国の法律では、米国の軍事援助を受ける者が米国の人的援助の提供を妨害していないことの確認が求められる」などと語った。【ワシントン西田進一郎】

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