ウクライナで撃墜されたシャヘド自爆ドローンとみられる機体の一部(写真は2023年5月、オデーサで撮影) Press Service of the Operative Command South of the Ukrainian Armed Forces/Handout via REUTERS

<携帯式地対空ミサイルシステム「FIM-92スティンガー」でイラン製の自爆無人機「シャヘド」を撃墜。その様子を記録した映像がウクライナ国防省によって公開された>

ウクライナ軍が公開した動画によると、同軍はロシアの操作するイラン製の自爆無人機「シャヘド」3機を撃墜した。

【動画】次々墜落...ウクライナ兵が「FIM-92スティンガー」でシャヘド3機を撃墜する劇的瞬間

ウクライナ国防省が10月11日にX(旧ツイッター)に投稿したこの動画には、複数の無人航空機(UAV)が、携帯式地対空ミサイルシステム(MANPADS)「FIM-92スティンガー」で標的にされた後、地面に墜落しているとみられる様子が映されている。FIM-92スティンガーはアメリカ製で赤外線誘導式だ。

本誌はロシア国防省とウクライナ国防省に電子メールでコメントを求めている。

イランが開発したシャヘド無人機は比較的コストの低いUAVで、爆発物を搭載して標的に突っ込むように設計されている。ウクライナの標的を攻撃する手段としてロシアがしばしば使用している。

「ロシアの攻撃作戦における(シャヘド無人機の)主な役割は、ウクライナの防空用迎撃ミサイルや探知システムの備蓄を消耗させることにある。つまり、巡航ミサイルによる攻撃に先立って、これを撃退しようとするウクライナ側の防空レーダーを暴くために使われてきたということだ」

英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のリサーチフェロー、シッダールト・カウシャルは本誌に対してそう述べた。

「最近の(シャヘド無人機の)損失率に関して最も重要なのは高確率で迎撃されていることではなく──ロシアはそれを想定している──むしろ携帯式防空・地対空ミサイルなどのシステムによって攻撃されているということだ。これはつまり、ウクライナが低コストな兵器でそうした無人機を撃墜できるようになってきたということ、巡航ミサイルや弾道ミサイルなどを標的にする高価な地対空システムを温存できるようになったことを意味する」

ウクライナは11日、ロシアのUAVを24時間のうちに70機破壊したと述べた。

ウクライナ国防省のページで公開された別のレポートによれば、同じ期間にロシア軍はさらに兵士1140人、砲撃システム59基、車両119台を失ったという。

ウクライナの発表は、同軍参謀本部がロシアの基地を標的にした攻撃が成功し、複数の爆発を引き起こしたと報告した後に出された。この基地は、全面侵攻に用いられているシャヘド無人機などを保管する場所だったという。

ウクライナ軍はテレグラム上で発表した声明のなかで、攻撃の標的としたのはロシア南部クラスノダール地方のエイスクにある基地で、イラン製シャヘド無人機400機が保管されていたと述べた。

本誌は9月、ロシアの大佐がウクライナによって殺害されたと報じた。この大佐はシャヘド無人機のオペレーターやサポートスタッフなど、UAV操作の専門家を養成する訓練に関わっていたとされる人物だ。

インテルファクス通信ウクライナが匿名情報筋の話として伝えたところによれば、ロシア国防省第924無人航空機センターの責任者を務めるアレクセイ・コロメイツェフ(Alexey Kolomeytsev)は、ウクライナ国防省情報総局と協力した地元レジスタンス勢力の特殊作戦によって殺害されたという。

(翻訳:ガリレオ)

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