レバノン南部に展開する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)は13日、イスラエル軍の戦車2台がUNIFILの拠点の入り口を破壊し、中に侵入したと発表した。近くでは発煙弾も発射され、隊員15人が皮膚の炎症などの被害にあったという。UNIFILは「イスラエル軍の存在が隊員を危険にさらしている」として抗議した。
イスラエル軍はイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘のため、レバノン南部に地上侵攻しているが、これまでの戦闘でもUNIFILに負傷者が相次いでいる。
発表によると、イスラエル軍の戦車は13日午前4時半ごろ、UNIFILの拠点に侵入。約45分後に撤退したが、午前6時40分ごろには約100メートル離れた場所で発砲があった。イスラエル軍は12日にもUNIFILの後方支援部隊の通行を妨害したという。
一方、イスラエル軍は13日、戦車は負傷した兵士の救出活動のためUNIFILの拠点に数メートル侵入して煙幕を使用したと説明し、「UNIFILを危険にさらしてはいない」と主張した。また、UNIFILの拠点のそばからヒズボラがロケット弾などを発射しており、これまでに兵士2人が殺害されたとして、ヒズボラを非難した。
UNIFILはレバノン南部の停戦監視などのため、レバノン軍とともに巡回などを続けている。軍は地上侵攻前の9月30日、国境から5キロ以内の地点から撤退するよう求めたが、UNIFILは応じていない。【カイロ金子淳】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。