米国防総省の庁舎「ペンタゴン」=秋山信一撮影

 米国防総省は13日、米軍の終末高高度防衛(THAAD=サード)ミサイルとその運用部隊をイスラエルに派遣すると発表した。イスラエルに対しては、イランが1日に大規模な弾道ミサイル攻撃を実施した。さらなる攻撃に備えてイスラエルの防空能力を強化する狙いだ。

 同省のライダー報道官の声明によると、派遣はバイデン大統領の指示を受け、オースティン国防長官が承認した。ライダー氏は「イランによるさらなる弾道ミサイル攻撃からイスラエルを防衛し、イスラエルにいる米国市民を守るという揺るぎない決意を強調するものだ」と説明した。

 イランは10月1日、親イラン武装組織への攻勢を強めるイスラエルに対する「自衛権の行使」として、約180発の弾道ミサイルをイスラエルに発射した。大半はイスラエル軍が迎撃したとみられるが、一部はイスラエル領内に着弾した。イスラエルは報復攻撃をすると宣言しており、実施すればイランがさらなるミサイル攻撃をする可能性がある。

 国防総省によると、THAADミサイルと運用部隊の中東地域への派遣は、2023年10月にイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が始まった後にも行っていたという。【ワシントン西田進一郎】

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