イスラエルが空爆した住宅を調べる子ども=パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファで25日、ロイター

 イスラエルが計画するパレスチナ自治区ガザ地区の最南部ラファへの侵攻を巡り、外交上の駆け引きが活発になっている。イスラエルは人質解放などを巡るイスラム組織ハマスとの間接交渉で「(協議で)進展がなければラファに侵攻を始める」と警告。米メディアによると、ブリンケン米国務長官が近くイスラエルを訪問し、事態の打開を目指す。

 米ニュースサイト「アクシオス」によると、イスラエルは26日に実施された仲介国エジプトとの協議で「これが最後のチャンスだ」と主張し、エジプトにハマスへの圧力を強めるように求めた。間接交渉では、ハマスが拘束する40人の人質を解放するのと引き換えに、イスラエルが6週間の戦闘休止を実施し、数百人のパレスチナ人を釈放するという米政府案が協議されてきた。イスラエルは現在、解放を求める人質数を減らすことを検討。一方、ハマスは恒久的な停戦などを求める姿勢を変えておらず、交渉はこう着している。

 こうした中、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は26日の米MSNBCテレビのインタビューで「(間接交渉を)前進させるための新たな取り組みが進んでいる」と説明。その上で「近いうちの合意は保証できないが、交渉に新たな機運が出てきている」と述べた。【ワシントン松井聡】

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