米南部フロリダ州で、ハリケーンの影響で屋根が吹き飛んだドーム球場「トロピカーナ・フィールド」=2024年10月10日、AP
写真一覧

 38件の竜巻が次々と発生し、ドームの屋根は吹き飛んだ-。米南部フロリダ州を9~10日に横断したハリケーン「ミルトン」と付随して発生した竜巻は、全米3位の人口を抱える州に大きな被害を及ぼした。CNNテレビによると、少なくとも12人の死亡が確認され、死者はさらに増える可能性がある。

 「貨物列車が通過するような音がした」「窓が割れ、屋根は壊れ、ヤシの木が根っこから倒れた」。9日夜にハリケーンが上陸する前に発生した竜巻について、住民らは米メディアにそう証言した。気象学者はAP通信に「ハリケーンに伴って起きる竜巻は通常は弱い。今回は間違いなく異常だ」と指摘した。

米南部フロリダ州で、ハリケーンの影響で屋根が吹き飛んだドーム球場「トロピカーナ・フィールド」=2024年10月10日、AP
写真一覧

 ハリケーン自体も記録的な雨と風を生んだ。大リーグのタンパベイ・レイズの本拠地「トロピカーナ・フィールド」では、ドームの屋根が吹き飛んだ。州兵や作業員らが災害復旧に備えて待機する場所になり、グラウンドには簡易ベッドが並べられていたが、被害が予想されたために他の場所に移っていたという。

 10日朝になって被害状況が徐々に明らかになり、住宅の倒壊、浸水などが多数確認された。ただ、当局の呼びかけもあって、9日夜に8万人以上が避難所に移っていたといい、バイデン大統領は「被害の全容はまだ分からないが、事前の備えによって人的被害が軽減できた」との見方を示した。【ワシントン秋山信一】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。