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 10月7日、ハマスによるイスラエル襲撃から1年が経過した。しかし、現在もイスラエルによるガザ地区そしてレバノンへの攻撃は続いている。

【映像】「ほとんどの場所が瓦礫」…現在のガザ地区

 争いに終止符が打たれる日はやってくるのか? ガザ地区の現状やパレスチナの人々の本音について、ガザ北部で人道支援も行うテロ・紛争解決スペシャリストの永井陽右氏に聞いた。

 永井氏は「そもそも、ハマスによるイスラエル襲撃に対するパレスチナの人々の心情は国際社会の捉え方と全く異なる」と実情を語る。

「国際社会は1年前の10月7日から様々な問題が始まったと捉えているが、実際にはもっと前から問題は続いていた。パレスチナの人々や周辺国のパレスチナ難民にとって『ハマスはイスラエルによる国際法違反の占領に対して一矢を報いるために行動を起こした』という背景があり、ハマスは希望の象徴であり、『胸がスカッとした』などの言葉も耳にした」

 さらに永井氏はこの1年間の重大なポイントとして「2024年7月のハマスの最高幹部ハニヤ氏の殺害、9月のヒズボラ最高指導者ナスララ師の殺害」を挙げ、「最高指導者を失った側は後に引けず状況は悪化する一方であり、今後が心配だ」と述べた。

 また、イスラエルの立場については「ネタニヤフ首相は自分たちの存在意義を保つためにも、戻って来ない人質のためにも戦いを続けざるを得ない」とし、イスラエルの後ろ盾となっているアメリカについては「アメリカがイスラエルの背景にいる構造が中東の不安定さを助長している」と話した。

 一方でガザ地区の現状について「ほとんどの場所が空爆で瓦礫と化し、支援も限られており、ガザの未来は見通しが立たない。では避難すればいいかというとそれも難しい。なぜなら、これまでのパレスチナの難民の歴史からも一度故郷を離れると二度と戻れないことを人々は理解しているのだ」と説明した。

 戦闘状態が続く中、政治的な動きも重要だという。

 永井氏は「人道支援はもちろん必要だが、同時に新しい和平プロセスが不可欠。そして、軍事部門以外にも政治部門や社会福祉部門も内包し人々からの信望も厚いハマスを抜きに和平はあり得ない。彼らをどう組み込むかが課題なのだ」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)

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