ジョー・バイデン米大統領=2024年9月23日、秋山信一撮影

 米国務省は8日、ブリンケン国務長官が東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議にバイデン大統領の代理として出席するため、8~11日にラオスを訪問すると発表した。バイデン氏がASEAN関連首脳会議を欠席するのは2年連続。南シナ海で中国とフィリピンの緊張が続く中、フィリピンの後ろ盾である米国がアジアで存在感を示す機会を逸することになる。

 バイデン氏は8日、南部に接近中のハリケーン「ミルトン」への対応を優先するため、10日からのドイツとアンゴラの歴訪を延期した。しかし、ASEAN関連首脳会議の欠席はそれ以前から決まっており、81歳の大統領の体力面を考慮した可能性がある。クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)は8日の記者会見で、バイデン氏の欠席について「米国が(ASEAN)地域に関与する決意に疑いはない」と釈明した。

 バイデン政権はインド太平洋地域の重視を掲げ、日本を含むアジアの同盟国との連携を強化した。しかし、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢への対応に追われている。

 シンガポールのシンクタンク「ISEASユソフ・イシャク研究所」が今年1~2月、ASEAN各国の研究者や政府・企業関係者らを対象に行った調査では、「バイデン政権で東南アジアへの関与が減った」(38・2%)が「関与が増えた」(25・2%)を上回った。【ワシントン秋山信一】

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