中国国旗=ゲッティ

 中国の経済政策の司令塔にあたる国家発展改革委員会の鄭柵潔主任は8日の記者会見で、2024年の経済成長率目標「5%前後」の達成に「十分な自信を持っている」と強調した。内需拡大や投資促進を着実に進める方針を示したが、市場が期待した早期の追加財政支出への言及はなかった。

 鄭氏は「内外の環境はより複雑化しているが、経済運営はおおむね安定している。一部でリスクはあるが、目標達成に自信を持っている」と述べた。

 会見では、来年も超長期特別国債の発行を続けることや、地方支援に1000億元(約2・1兆円)、投資に1000億元を前倒しで支出する方針などが示された。

 大型連休(国慶節)明けとなる8日の上海株式市場は「大型の財政支出が打ち出される」との観測をもとに朝方から買い注文が集まったが、会見後は「期待外れ」と株価が伸び悩んだ。

 大和総研の斎藤尚登経済調査部長は「市場の期待が高まっていただけに肩すかしの内容だ」と指摘。その上で「5%成長を何としても達成するため、年内に2兆元(約42兆円)規模の追加の財政出動が措置されることも十分あり得る」と述べた。【松倉佑輔】

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