1年にわたり激しい攻撃にさらされているガザ。避難生活の中で、今年8月に生まれたばかりの双子を亡くした男性がJNNの取材に応じ、「成長してパパと呼んでほしかった」と悲痛な思いを語りました。

人目もはばからず泣き叫ぶ男性は、ガザに住むムハンマド・クムサンさんです。

この直前、イスラエル軍の攻撃によって自宅にいた家族を失いました。妻と義理の母、そして、3日前に生まれたばかりの双子のきょうだいも犠牲になりました。

今もガザ南部で避難生活を続けるムハンマドさんがJNNの取材に応じました。

ムハンマド・クムサンさん
「その日は、出生証明書をもらうために家を出ました」

双子の出生証明書を受け取りに病院を訪れたムハンマドさんは、帰宅途中に電話で自宅に攻撃があったことを知らされました。

ムハンマド・クムサンさん
「家族のいた部屋に向けて砲撃があった(と聞きました)。実は妻が…」
通訳
「空爆だ!今爆発がありました。これが(ガザの)日常です」

インタビューは一時中断しましたが、状況を確認した後、再開しました。

ムハンマド・クムサンさん
「(家族が)どんな罪を犯したというのか。彼らがいたのは安全な人道地区でした」

住んでいたのは、生まれてくる子どものために少しでも安全な場所をと、ガザ各地を転々として行きついた場所でした。

ムハンマド・クムサンさん
「色々な準備をしていました、特にベビー服を。双子は男の子と女の子だったから、洋服を見つけるのは大変でした」

心躍らせながら準備したベビー服に、子どもたちが袖を通すことはありませんでした。

ムハンマド・クムサンさん
「子どもたちが成長して“パパ”と呼んでほしかった。一緒に遊びたかった。世界中の子どもたちと同じように、教育の権利・人生の権利を与えてほしかった」

1年経った今なお、終わりの見えない戦闘。ガザではこれまでに4万1870人が犠牲となっていて、そのうち子どもは1万1000人を超えているとされます。

ムハンマド・クムサンさん
「罪なき人たちが毎時間のように殺されています。この戦争が終わるその瞬間を待っています」

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