カリブ海の島国ハイチ中部アルティボニット県で3日未明、ギャングによる襲撃があり、少なくとも70人が死亡した。犠牲者のうち約10人が女性で、3人の幼児も含まれる。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、ギャングの構成員らは自動小銃で住民を襲い、住宅45戸と車34台に放火したという。
ハイチでは2021年7月にモイーズ大統領が武装集団に暗殺されて以降、主に首都ポルトープランスで武装したギャングによる暴力が横行し、無法状態が続いている。国連は首都に多国籍部隊を派遣しているが、混乱が地方都市にも広がれば、さらなる対応を迫られる可能性がある。
現場はポルトープランスから北西約70キロのアルティボニット県ポンソンデ。国連のドゥジャリク事務総長報道官は4日の記者会見で、多数のけが人も出ており、少なくとも3000人が避難したと述べた。
国連の安全保障理事会は昨年10月、加盟国に多国籍部隊を派遣する権限を与える決議を採択。米ニューヨーク・タイムズ紙によると、今年6月にケニアやジャマイカなどから警察官ら計410人が派遣された。だが、アルティボニット県には拠点がないという。【ニューヨーク中村聡也】
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