700万ドル(約11億円)相当の国有地の不正取得に関与したとして摘発された、ウクライナのソリスキー農業食料相=キーウで2023年6月、ロイター

 ウクライナの高等反汚職裁判所は26日、700万ドル(約11億円)相当の国有地の不正取得に関与したとして、ソリスキー農業食料相の勾留を命じた。ソリスキー氏は勾留後、保釈された。ウクライナは欧州連合(EU)加盟を目指し、その条件を満たすため汚職防止に力を入れているが、現職大臣が摘発されたのは初めてという。

 ロイター通信によると、ソリスキー氏は弁護士として活動していた2017~21年、仲間と共に、国営企業の所有地を第三者へ譲渡させるなどの手法で利益を得た疑いがある。国家汚職対策局が捜査していた。ソリスキー氏は容疑を否認しているが、25日に辞任の意向を示した。

 報道によると、ソリスキー氏は複数の農業関連ビジネスを営み、22年に農業食料相に就任した。黒海経由でのウクライナ産穀物輸出を巡る交渉などで中心的な役割を果たした。

 ウクライナでは、昨年、当時のレズニコフ国防相が国防省の汚職疑惑の監督責任を取る形で更迭された。【ベルリン五十嵐朋子】

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