パレスチナ自治区ガザへの食料供給がここ数週間で急減していることが分かった。9月撮影(2024年 ロイター/Mahmoud Issa)
パレスチナ自治区ガザへの食料供給がここ数週間で急減していることが分かった。イスラエル当局が一部の人道援助物資に対して新たな税関規制を導入したほか、商業輸送も縮小したことが要因という。関係者がロイターに明らかにした。
事情に詳しい関係者7人によると、新たな税関規制は、ヨルダンからイスラエル経由でガザに援助を運ぶために国連がチャーターしたトラックに適用される。関係者によると、救援機関側は8月中旬に発表されたこの規制に異議を唱えている。援助物資がハマスなどイスラエルの敵対勢力に渡った場合、職員が法的問題に巻き込まれる懸念があるという。
その結果、物資は2週間、ガザへの物資供給の主要経路であるヨルダンルートを通らなくなっている。関係者は、キプロスやエジプト経由の物資輸送に影響はないとしている。
これと並行し、イスラエル当局がガザへの食料の商業輸送を制限していることも、事情に詳しい関係者が明らかにした。ハマスが取引から利益を得ているとの懸念があるという。
国連とイスラエルのデータによると、9月の食料と援助物資の供給は7カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。これまで報じられていなかったこの2つの規制によって、230万人のガザ住民の食料不足がさらに悪化するとの懸念が高まっている。
食料供給を巡る懸念は、昨年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃後に始まった戦争で最も困難な問題の一つ。今年5月、国際刑事裁判所(ICC)の検察官は、イスラエルが民間人の飢餓を戦争の手段として利用した疑いがあるとして、ネタニヤフ首相に対する逮捕状を請求した。こうした疑いをイスラエルは否定している。
情報筋によると、新しい通関規制に対し、国連側は代替案を提案しており、イスラエル側が受け入れることを期待しているという。
イスラエルの占領地政府活動調整官組織(COGAT)の統計によると、ガザへの商業輸送は7月の1日平均140台から9月には80台に減少。ガザを拠点とする貿易関係者によると、9月後半の2週間には、平均45台まで落ち込んでいるという。
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