イスラエル軍は1日、レバノン南部での限定的な地上作戦を始めたと発表しました。
イスラエル軍によりますと、親イラン武装組織ヒズボラの拠点などを攻撃するため、レバノン南部に越境して限定的な地上作戦を始めました。
レバノンへの地上侵攻は2006年7月以来18年ぶりです。
アメリカのニュースサイトは、イスラエル政府高官の話として、「レバノン南部に隣接するイスラエル北部住民への脅威をなくすためのもので、地上作戦は時間と範囲を限定し占領することを意図したものではない」と伝えています。
一方、ヒズボラのナンバー2・カセム師は、地上作戦の前の日に「備えはできている。我々が勝利する」と徹底抗戦の構えを見せていて、さらに激しくなれば戦闘が中東に拡大する恐れがあります。
このニュースについて、フジテレビ・立石修解説委員室長とお伝えします。
イスラエルは現在、ガザ地区のハマスと戦闘を続けています。
そして、今度の狙いは隣国のレバノンに拠点を置くヒズボラというイスラム組織です。
このヒズボラですが、ハマスに対して連帯を示していて、イスラエルに対してロケット弾で攻撃をしていたということです。
これに対してイスラエル側も空爆を続けていましたが、今回よりフェーズの高い地上侵攻に踏み切ったという状況です。
──限定的な作戦とイスラエルはしているが、地上侵攻となると民間への影響もある?
立石修解説委員室長:
イスラエルは作戦の範囲や期間などは明言していませんが、まず考えられるのは、欧米メディアなどの情報を総合すると、レバノンの南部だけを制圧して、一時的にここにイスラエル軍が駐留すると考えられています。
イスラエル軍は数日前に、レバノン南部の街をCGで再現した映像を公開しました。
一見普通に見える住宅の中に多数のミサイルをヒズボラが隠していると主張する映像です。
中には、ロシア製のミサイルもあるとしています。
つまり、レバノン南部がヒズボラのイスラエル北部に対するミサイル攻撃の基地になっているとイスラエルは主張しています。
したがって南部地域を制圧して緩衝地帯をここに作ってしまう、ヒズボラのいないエリアを作るという作戦が考えられます。
──ガザ地区を攻めた時も最初は北部に侵攻し、結局、ガザ全土に広がっていったが、その辺りはどうか?
立石修解説委員室長:
状況が少しガザの時を思い出させますよね。
そのため、可能性として2つ目は、南部にはとどまらず首都ベイルート近郊まで侵攻する可能性も考えられるといえます。
イスラエル軍は日本時間の1日朝、首都ベイルートの国際空港に空爆を行っています。
ベイルート近郊の映像でも、煙が上がっているのが確認でき、首都近郊で空からの攻撃を継続しているといったことが分かります。
立石修解説委員室長:
実はヒズボラの本拠地は、首都ベイルートの南部近郊付近なんです。
そのため今イスラエルは最終目標とは明言していませんが、地上軍はとどまらず、こういった首都近郊にまで侵攻してヒズボラの完全壊滅を狙うことも考えられます。
イスラエルのネタニヤフ首相は、支持を強化するために、ハマスだけではなくヒズボラなど親イラン組織をまとめて一掃してしまうという可能性も考えられます。
──ますます緊張度合いが増している感じがするが?
山口真由SPキャスター:
イランがどう出るかですね。現時点で戦争を望んでいるのはイスラエルで、イランはむしろ挑発を回避しようという立場ですが、このままイランが何もしないと盟主としての立場や威信に関わるので、ここはどう出るか注目されると思います。
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