ロシアの地対空ミサイルシステム「Buk-M3」(2020年8月25日、モスクワ州のアラビノ演習場にて) volkova natalia-Shutterstock
<アメリカのシンクタンク戦争研究所(ISW)によると、クルスク州ルィリスクの東部で撮影されたものだという>
ウクライナがロシア南部のクルスク州に奇襲攻撃を仕掛けてから2カ月近くが経過した。激しい戦闘が続くなか、ウクライナ政府は同国軍がロシアの最新鋭の中距離防空システムを「破壊した」と発表した。
【動画】野原で爆砕...ロシアの防空システム「Buk-M3」が破壊される決定的瞬間
ウクライナ国防省はX(旧ツイッター)に、「ロシアの防空システムBuk-M3に問題が発生したようだ」と投稿した。「ウクライナの戦士たちがそれを破壊した」
同省は防空システムへの攻撃とみられる動画を共有した。本誌はこの動画を独自に検証できなかったが、米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は、クルスク州ルィリスクの東部で撮影された動画だと説明している。ウクライナがクルスク州で支配下に置いている領土は、この町の南東に位置している。
ウクライナ国防省はこの動画が撮影された日時や場所を明らかにしていないが、防空システムを標的にしたのは、同国軍の第413独立無人システム大隊だとしている。同大隊は23日、メッセージアプリのテレグラムで、地対空ミサイルシステムBuk-M3を標的にしたと報告している。ウクライナは以前から第413独立無人システム大隊がクルスク州で活動していると述べていた。
ロシア国営の武器輸出業者ロスオボロンエクスポルトはBuk-M3について、「中距離防空ミサイルシステム開発におけるマイルストーン」と宣伝している。
同社によればBuk-M3は精密誘導兵器、戦術弾道ミサイルなどの空中の目標を迎撃するために設計されており、射程は最大65キロだ。
ロシアもクルスクで反攻
ウクライナが奇襲攻撃を仕掛けたのは7週間以上前のことだ。ロシア側は前進を食い止めようとしてきたが、ウクライナは9月初旬には100の集落と約1300平方キロにわたる地域を掌握したと発表した。
ロシアとウクライナの情報筋は9月中旬、ロシアがクルスク州で反攻を開始したと示唆。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領もこれを認めた。ロシアはここ数週間、コレネボの南の国境沿いでいくつかの集落を奪還したと発表している。
ISWの24日の報告によると、ウクライナ軍はコレネボの南西にあるグルシュコボの周辺まで進軍したという。ISWはさらに、ウクライナはグルシュコボの南西にある集落ベセロエの南東と東にも進軍したと補足している。
ロシア国防省は24日、スジャの北にあるマラヤ・ロクニャとオブホフカの周辺でウクライナによる2度の攻撃を「撃退した」と発表した。ロシア側はまた、「ウクライナ軍によるメドベジエおよびノーヴィ・プチ方面での国境突破の試みを5度にわたって撃退した」と述べた。これらの集落はグルシュコボの南の国境沿いにある。
(翻訳:ガリレオ)
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