イスラエル軍の攻撃後に立ち上る煙=23日、レバノン南部ナバティエ(ゲッティ=共同)

 イスラエル軍は23日、親イラン民兵組織ヒズボラが影響力を持つレバノン南部などを戦闘機で大規模空爆し、レバノン保健当局によると、女性や子どもを含む274人が死亡、千人以上が負傷した。AP通信によると、2006年以降の双方の交戦で最多の犠牲者数となった。パレスチナ自治区ガザでの戦闘に端を発した昨年10月からのレバノン国境地帯での交戦は緊張の度合いを一層高めた。

 イスラエル軍は標的約800カ所を攻撃したと発表。ヒズボラ施設近くに住む人々に「安全確保のため」として退避を呼びかけた。軍はヒズボラが影響力を持つレバノン東部ベカー高原への攻撃準備も進めている。APは、軍高官が地上侵攻を近く実行する考えはないと述べたと伝えた。

 軍のハレビ参謀総長は22日「脅威を取り除くために必要なことは何でもする。次の段階へ計画を立てている」と強調。ヒズボラは23日、報復としてイスラエル軍施設に向けロケット弾を発射したとの声明を出した。

 中東メディアによると、レバノン住民に対する退避勧告は昨年10月以降初めて。軍はヒズボラが攻撃を準備していたと主張した。(共同)

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