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 アメリカのベンチャー企業が、「コンコルド」以来となる超音速旅客機の実現に向け開発を進めています。完成すれば、飛行時間が現在の旅客機のおよそ半分に短縮されます。

■実現なら…東京ーシアトルは4時間半に?

超音速飛行の試験機「XB-1」 この記事の写真

 エンジン音を響かせながら飛び立ったのは、超音速飛行のデータを取るために作られた試験機「XB-1」です。

 これまで3回の試験飛行に成功し、着々と開発が進んでいます。

マッハ1.7で飛ぶ超音速旅客機「オーバーチュア」

 アメリカのベンチャー企業「ブーム スーパーソニック」が完成を目指しているのは、マッハ1.7で飛ぶ超音速旅客機「オーバーチュア」です。

東京ーシアトル間、約4時間半で飛行可能

 実現すれば、東京とシアトルの間を現在の半分、およそ4時間半で飛行することが可能になります。

ブレイク・ショールCEO
「本当に興奮しているのは、超音速飛行が戻ってくることです。午前中にニューヨークを出発し、午後にロンドンでミーティングを行い、その日のうちに家に帰り、子どもたちをベッドに寝かしつけられます」 「空の貴婦人」コンコルド

 超音速旅客機といえば、かつてイギリスとフランスの航空会社が共同運航し、マッハ2で飛んだ「コンコルド」が思い出されます。その独特な姿から「空の貴婦人」とも呼ばれました。

過去には113人死亡の墜落事故も

 過去には、滑走路に落ちていた部品が原因で、離陸直後に墜落。乗客乗員など合わせて113人が死亡する事故も発生しました。

 その後も運航が続けられましたが、燃費が悪いうえ機体の維持コストも高く、2001年の同時多発テロの影響などで利用客が減少し、2003年に引退しました。

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■夢の飛行機 JALも20機の優先購入権

■夢の飛行機 JALも20機の優先購入権

「コンコルド」と同じ課題抱える

 アメリカのベンチャー企業が開発を進める超音速旅客機「オーバーチュア」。専門家は「コンコルド」と同じ課題を抱えているといいます。

航空評論家 青木謙知氏
「一つは音速を突破する時に発生する衝撃波の問題。陸地の上空は超音速飛行が(禁止されて)できない。使われるルートがすごく限られてしまう。速く飛ばそうとすると、エンジンに大きなパワーが必要となってくる。そうなると、燃料消費も大きくなり、運賃も高くせざるを得なくなる」 新エンジン「シンフォニー」開発

 こうした問題を解決するため、新たなエンジンも開発されました。

 騒音を抑えながら、使用済みの食用油などを使った燃料にも対応。環境に配慮しながら、運用コストを10%削減できるといいます。

コックピットには最先端テクノロジー

 コックピットにはタッチパネルをはじめ、最先端のテクノロジーが凝縮されています。

 さらに、料金についても「コンコルド」は全席ファーストクラス以上の金額でしたが…。

ブレイク・ショールCEO
「コンコルドより75%安い運賃で乗ることができます」 JALも20機の優先購入権

 2029年の実用化を目指す夢の飛行機「オーバーチュア」。日本航空も2017年に1000万ドル、現在のレートで14億円余りを出資していて、完成すれば20機の優先購入が可能となっています。

(「グッド!モーニング」2024年9月20日放送分より)

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