アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は、およそ4年半ぶりに政策金利の引き下げを決定しました。ニューヨークから報告です。

(親松聖記者報告)
 大きな転換点を迎えたアメリカの金融政策。FRBが選んだのは、0.5%の大幅な利下げでした。

FRB パウエル議長
「経済政策を適切に再構築したうえで、労働市場が安定的な成長のもとで力強さを見せ、インフレが持続的に2%に落ち着くだろうという我々の自信が大きくなったため、今回の決断に至った」

 記録的なインフレとの戦いを続けてきたFRBは労働市場が悪化するなか、経済の減速を避けるため通常の2倍、0.5%の利下げに踏み切りました。これまでのインフレ抑制から、雇用対策にシフトした形です。

 また、合わせて発表された今後の金利の見通しでは年内にさらに0.5%引き下げるとしています。

 FRBの発表を受けて、日米の金利差が縮小するとの見方から円高が進み円相場は一時、1ドル=140円台をつけましたが、その後、FRBのパウエル議長が、今後の大幅利下げに対しては慎重な姿勢を示したこともあり、142円台まで戻しています。

 今回のアメリカの利下げで、世界のマネーの流れが大きく変わる可能性もあるなか、日銀は逆に、追加の利上げを模索しています。そのかじ取りは非常に難しいものになりそうです。

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