フィリピン沿岸警備隊は、中国船との衝突が相次ぎ緊張が高まっている南シナ海で、中国側の動きを監視するために停泊を続けていた大型巡視船を撤退させました。

フィリピン政府は15日、中国と領有権を争う南シナ海のサビナ礁に停泊していた大型巡視船が5か月間の任務を終え、港に引き返したと発表しました。

この巡視船は、サビナ礁で中国による違法な埋め立て活動の疑いが報告されたことを受け、中国側の動きを監視していましたが、周辺では中国側による妨害や公船の衝突が相次ぐなど、対立がエスカレートしています。

こうした事態を受け、両国の外務次官は11日、緊張緩和のための協議を行い、中国側がフィリピン船のサビナ礁からの撤退を要求していました。

フィリピン沿岸警備隊は、大型巡視船がサビナ礁を離れたことについて「生活必需品が枯渇し、医療が必要になった隊員を避難させるためだ」としています。

一方、中国海警局の劉徳軍報道官も談話を発表し、「フィリピンの巡視船は5か月近く不法に停泊して、中国の領土主権を著しく侵害した」と非難しました。そのうえで、「フィリピン側の補給活動は失敗に終わった」と主張しています。

さらに、報道官は周辺海域について「争う余地のない主権を有している」と改めて主張。「中国の領土主権と海洋権益を断固として守る」と強調しました。

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