西部アリゾナ州の大陪審に起訴されたジュリアーニ元ニューヨーク市長=2023年12月15日、AP

 2020年の米大統領選を巡って、西部アリゾナ州でのトランプ前大統領(共和党)の敗北を不当に覆そうとしたとして、同州の大陪審は23日、トランプ氏の顧問弁護士だったジュリアーニ元ニューヨーク市長やメドウズ元大統領首席補佐官ら計18人を詐欺や文書偽造などの罪で同州の裁判所に起訴した。同州のメイズ司法長官が24日発表した。トランプ氏も共謀者として認定されたが、起訴は免れた。

 起訴状によると、20年11月の大統領選で、トランプ氏は同州で民主党のバイデン氏(現大統領)に敗れたが、陣営は「不正があった」と主張。被告らは共謀し、当時のバワーズ州下院議長らにトランプ氏の「勝利」を認定するよう圧力をかけた。さらに一般投票の結果に基づく同12月の選挙人投票の結果を操作するため、偽の選挙人を仕立てたとされる。しかし、21年1月に連邦議会で行われた選挙人投票では、正当な結果が承認され、トランプ氏の陣営による工作は失敗した。

 トランプ氏の陣営は、中西部ミシガン州でも同様の工作を図っており、23年7月に関与した共和党員らが公文書偽造などの罪で訴追された。米メディアによると、同州司法当局は24日に開かれた公判前手続きで、アリゾナ州の事件と同様、トランプ氏を共謀者だと認定したが、訴追を見送ったと説明した。

 両州の司法当局がトランプ氏の訴追を見送った理由は明らかではない。トランプ氏は南部ジョージア州での同様の事件では、州組織犯罪処罰法違反などの罪で起訴された。他にも三つの事件で起訴されており、不倫関係を主張する女性に支払った口止め料を違法に会計処理したとされる事件で公判が進行中だ。【ワシントン秋山信一】

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