Tatyana Makeyeva-Reuters
<クリミア半島を拠点とし、ウクライナ軍の奪還作戦を阻止するため出撃したと見られるロシアSu-30M戦闘機が撃墜された瞬間だという動画が拡散している>
ウクライナ国防情報局(DIU)は、黒海上空でロシア軍の最新鋭戦闘機を撃墜したと発表。その様子を捉えたとする動画を公開した。動画に映っているのは、ウクライナ軍の部隊が携帯式防空ミサイルシステム「MANPADS」を使用して、約5000万ドル相当のロシア軍のスホーイSu-30SM戦闘機を撃墜した瞬間だという。
■【動画】「ロシア最高の戦闘機」が、ウクライナ「携帯式兵器」に撃墜される瞬間...爆発したSu-30Mは海中で発見
DIUによればこの戦闘機はロシア空軍の第43独立海洋航空連隊に所属しており、ロシア軍の占領下にあるクリミア半島のサキ飛行場を拠点としていた。Su-30SMは9月11日の午前5時頃にレーダーから機影が消え、AN26型輸送機やMi8輸送ヘリコプター、Ka-27ヘリコプターを投入して捜索救助活動が行われたという。
翻訳によればDIUは声明の中で、「侵略者(ロシア)はタルハンクト岬の北西70キロ地点の海上で航空燃料に特徴的な痕跡を発見したと司令部に報告し、その後すぐに破壊されたSu-30SMの残骸を発見した」と述べた。
公開された動画は上空から撮影されたもので、戦闘機が飛行する様子が映し出された後に、空中で爆発するシーンに切り替わる。この動画はソーシャルメディア上で大きな反響を呼んだ。
X(旧ツイッター)ユーザーのC4H10FO2Pはこの53秒間の動画を共有し、「ウクライナ国防省情報総局(GUR)のボートから発射されたMANPADSによりSu-30SMが破壊された」と投稿した。
ロシア空軍にとってまたもや大きな損失と話題に
別のユーザーのOSINTtechnicalは、次のように書き込んだ。「ウクライナ軍の特殊部隊が火曜日に黒海の石油プラットフォームに奇襲攻撃を行った際、ロシア海軍の多目的戦闘機Su-30SMを撃墜することに成功した。(ウクライナ軍のドローンが標的を特定し)MANPADSチームがロシア軍の戦闘機を攻撃したようだ」
また別のユーザーのRod Francisは「クリミア近郊でSu-30SM戦闘機が墜落した。ロシア空軍にとってまたもや大きな損失だ」と投稿し、さらにこう続けた。「Su-30SMはロシア軍の最高の戦闘機の一つで、近代化された多目的ジェット戦闘機だ。ウラジーミル・プーチンにとっては5000万ドルの損失を意味する。残念だね」
これに先立ち、ロシア語のソーシャルメディアチャンネルがこの多目的戦闘機(NATOのコードネームは「フランカーC/G/H」)の失踪と捜索について報じていた。テレグラムチャンネル「Crimean Wind」によれば、Su-30SMは任務中にウクライナ本土に向けて4発のKh-31P対レーダーミサイルを発射していたということだ。
黒海にある掘削装置を奪還しようとしたウクライナ軍
ロシア国防省は11日、黒海にある掘削装置「Krym-2」をウクライナが奪還しようとしたが阻止したと発表しているが、この件とSu-30SMの墜落が関連している証拠はない。本誌はこの件についてロシア国防省にコメントを求めたが、これまでに返答はない。
ロシア軍の航空機が遭遇した災難は今回が初めてではなく、8月には約20人を乗せたMi8ヘリコプター1機が行方不明になっている。また6月にはロシア南部の北オセチア共和国で訓練飛行を行っていたSu-34戦闘機が黒海の東に墜落し、乗組員が死亡した。
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