戦闘で破壊されたシファ病院で遺体を捜す救急隊員ら=パレスチナ自治区ガザ地区ガザ市で4月8日、ロイター

 イスラエル軍が侵攻したパレスチナ自治区ガザ地区の二つの病院で集団墓地が見つかったことを受け、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は24日の記者会見で「非常に憂慮すべき情報だ。我々は何が起きたのか正確に理解したいし、答えを求めている」と述べた。イスラエル側は虐殺行為を否定しているが、サリバン氏は「徹底した透明性のある調査」を要求した。

 サリバン氏は「イスラエル政府とはさまざまなレベルで、やりとりをしている。イスラエル軍からコメントはあったが、我々は具体的な状況が知りたいし、調査によって世界中が包括的な答えを得られることを望んでいる」と述べた。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、集団墓地はガザ地区北部ガザ市のシファ病院と南部ハンユニスのナセル病院で見つかった。国連によると、シファ病院周辺の2カ所からは30体以上の遺体が発見されたとの情報がある。また、ガザ当局は、ナセル病院の集団墓地から300体以上の遺体が見つかったと発表。手錠をされた遺体もあり、イスラエル軍が虐殺した可能性があると主張している。

 イスラエル軍は、イスラム組織ハマスが拘束している人質が含まれていないか確かめるため、遺体を掘り起こして再び埋めたとしており、虐殺を否定している。【ワシントン秋山信一】

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