オーストラリアの公共放送ABCは23日、インドに駐在していた南アジア支局長がビザ(査証)の延長手続きでインド政府から嫌がらせを受け、帰国を余儀なくされたと報じた。インド政府側は、過激派とみなすシーク教徒の独立運動家の主張を取り上げた番組をABCが制作、放送したとして問題視した。

番組は、昨年6月にカナダで独立運動に関わったカナダ国籍のシーク教徒が殺害された事件にインド政府が関与したとされる問題を取り上げた。インドで独立運動を続ける人々を情報機関が監視する様子にも焦点を当てた。ABCの公式ユーチューブチャンネルで今年3月に放送されたが、インドでは視聴できない状態になっている。

ABCによると、オーストラリア政府の働きかけでビザは期限切れ前日に2カ月間だけ延長されたが、支局長は既に荷物をまとめ、帰国を決めた後だった。(共同)

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