国防総省や航空宇宙局(NASA)など米政府機関が資金提供した研究が2010年以降、中国の研究者による1000件以上の米特許取得につながったことが分かった。写真は2022年1月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

国防総省や航空宇宙局(NASA)など米政府機関が資金提供した研究が2010年以降、中国の研究者による1000件以上の米特許取得につながったことが分かった。半導体やバイオテクノロジーなど機密性の高い分野も含まれる。

米特許商標庁が下院中国特別委員会に今月提供したデータをロイターが確認した。中国側に不釣り合いな恩恵をもたらすとの批判もある1979年の「米中科学技術協定」を巡り、破棄や再交渉を求める声が高まりそうだ。


 

提出データによると、同庁は10年から24年第1・四半期末までに、米政府が少なくとも一部の資金を負担し、少なくとも1人の中国在住研究者が関与した特許を1020件承認した。半導体、分子化学・ポリマー、化学工学、ナノテクノロジー、医療技術などの分野に及び、米国の団体・個人が特許を共有しているかは不明。

科学技術協定は米中の学術・商業交流拡大の基盤となり、かつては両国関係の安定をもたらすと歓迎された。だが、中国の軍事力増大や米知的財産の窃盗を懸念する議員から批判が強まっている。米政府機関による研究資金提供がこの協定の直接の結果かどうかは定かではない。

同協定は23年8月に期限を迎え、その後2度にわたり半年間延長されたが、その延長期間も今月27日に終了した。双方が条件の再交渉を求めていることから、数日内にも再び短期間の延長が行われる可能性がある。



[ロイター]


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