中国の王毅・共産党政治局員兼外相は28日、北京を訪問中のサリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と前日に続いて会談した。中国国営テレビによると、双方はハイレベルでの対話の継続で一致。近い時期に実施する予定の両国の新たな首脳間交流についても協議した。ただ、台湾問題などでは中国側は従来の主張を繰り返した。
2日連続の会談で、王氏は「両国の衝突と対立を回避するには、中国の政治体制と発展の道を尊重することが必要だ」と訴えた。サリバン氏は「両国間には相違や競争もあれば、協力を必要とする分野も多くある」と応じたという。
焦点の台湾問題では、王氏は「『台湾独立』は台湾海峡の平和と安定にとって最大のリスクだ」と強調し、「米国は台湾への武器供与を停止し、中国の平和統一を支持すべきだ」と求めた。領有権を巡って中国がフィリピンと激しく対立する南シナ海についても「米国はフィリピンによる侵害行為を支持・容認すべきではない」と反発した。
双方は、軍幹部同士のビデオ通話や、人工知能(AI)に関する2回目の政府間対話を「適切な時期」に開催することで合意。薬物対策、不法移民の送還、気候変動対策などでも引き続き協力することで一致した。ウクライナ情勢や中東、朝鮮半島情勢についても意見を交わした。【北京・岡崎英遠】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。