元徴用工の遺族が日韓請求権協定に基づく日本の経済援助を元徴用工の救済に充てなかったとして韓国政府に対し損害賠償を求めた裁判で、ソウル地裁は原告の訴えを退ける判決を下しました。
日本と韓国は1965年、国交を結ぶにあたって、両国国民の請求権に関する問題が「完全かつ最終的に解決された」と確認し、日本が韓国に無償で3億ドル分の経済援助を行うことなどを盛り込んだ日韓請求権協定を締結しています。
今回の裁判では、元徴用工の遺族が韓国政府を相手取り、この経済援助を元徴用工の救済に充てなかったとして、1人あたり日本円でおよそ1080万円の支払いを求めていました。
ソウル中央地裁は28日の判決で、「原告は日韓請求権協定によって日本企業に対する個人の請求権が消滅したことを前提に、韓国政府に賠償を求めている」と指摘し、原告の訴えを退けました。
日本企業に対する元徴用工への賠償命令が確定した2018年の最高裁判決で、協定によって個人の請求権は消滅しなかったという最終的な判断が示されたとして、これを覆す事情が見当たらないことを理由としています。
原告側の代表は判決後、「判決はとても失望させるもので、必ず控訴する」と話しました。
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