トランプ前米大統領が2020年大統領選の結果を覆そうとした事件について、捜査を担当するジャック・スミス特別検察官は27日、トランプ氏の起訴内容を一部修正し、新たな起訴状を提出した。連邦最高裁が大統領在任中の公的な行為は訴追を免れる「免責特権」が適用されると判断したことを受けた措置だ。
新たな起訴状は「国家を欺くための共謀」などトランプ氏について四つの罪に問う点は変わらないが、分量は当初の45ページから36ページに減らされた。当初の起訴状から、「公的」と判断されかねない行為を削除したり、修正したりした。一方で、トランプ氏と共謀者らが起訴内容の行為について「私的な立場」で行動したという面を強調している。
トランプ氏は昨年8月に四つの罪で起訴されたが、「免責特権」を主張した。連邦最高裁は7月、在任中の公的行為には免責特権が適用されると判示。選挙結果を覆すよう圧力をかけたとされる司法省高官らとのやりとりについては「免責される」と判断し、州当局者らに圧力をかけたことなどについては公的な行為かどうかを判断するよう地裁に差し戻した。
スミス氏は新たな起訴状について、首都ワシントンの連邦地裁に提出した文書で「最高裁の判示と差し戻しの指示を尊重し、実施するための政府の取り組み努力を反映したものだ」と説明した。【ワシントン西田進一郎】
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