シリーズ「現場から、」です。28日に開幕するパリパラリンピックのテコンドー女子にアフガニスタン出身の選手が出場します。イスラム主義組織タリバンによって女性の権利が抑圧される中、難民選手団として出場し、メダル獲得を目指します。

記者
「まもなく始まるパラリンピックを前に、選手は最終調整に入っています。特別な思いを持って、大会に挑みます」

難民選手団としてパリパラリンピックに出場するテコンドーのザキア・フダダディ選手(25)。生まれつき左腕に障がいがあります。3年前、自ら投稿したビデオメッセージが注目を浴びました。

ザキア・フダダディ選手
「私はパラリンピックに出たい。誰か私の手を取って助けてください。アフガニスタンの女性の権利が奪われるのを止めてください」

フダダディ選手は2021年の東京大会では出身のアフガニスタン代表として出場が決まっていました。ところが、直前にイスラム主義組織タリバンが政権を奪取。国内の混乱を受け、一度は参加を断念することになったのです。

ザキア・フダダディ選手
「(タリバンが政権掌握した2021年)8月15日はアフガニスタンのすべての女性にとって暗黒の日です。今は状況がさらに悪化しています。でも、私はアフガニスタンの女性の強さを示そうとやってきました」

国際的な支援によって極秘に出国したフダダディ選手は東京大会の出場を果たし、その後、アフガニスタンには戻らずにフランスで難民認定を受けました。

去年、難民選手として出場したヨーロッパ大会で優勝。アフガニスタンで女性の権利が抑圧される中、世界から注目されるパラリンピックに出場する意義は大きいと話します。

ザキア・フダダディ選手
「世界の人々にアフガニスタンの女性のことを忘れてほしくない。私は難民でもあるしパリ大会でメダルを取ることは重要です。世界には多くの問題があるということを知ってほしいのです」

「アフガニスタンの女性の権利のために戦う」
フダダディ選手はそう誓って、29日の試合に臨みます。

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