不具合のため国際宇宙ステーションにとどまったままになっている宇宙船が、宇宙飛行士を乗せて帰還する計画を断念しました。
■ボーイングは強気の姿勢も…安全性への懸念はぬぐい切れず
NASA ネルソン長官 この記事の写真 NASA ネルソン長官「NASAは2人の宇宙飛行士を来年2月に別の宇宙船で帰還させ、スターライナーは無人で帰還させることを決定しました」
歯車が狂い始めたのは、打ち上げ前からでした。
ヘリウム漏れやエンジン5基が停止の不具合2人の宇宙飛行士を乗せて6月5日にアメリカ・フロリダ州から打ち上げられたボーイング社の宇宙船「スターライナー」。ヘリウムが漏れる不具合により、何度も打ち上げが延期された末の出発でした。
しかし、ISS＝国際宇宙ステーションに到達するまでにエンジン28基のうち5基が突然停止。ヘリウム漏れも続きました。
安全に戻れる見込みが立たず結果、スターライナーは地球に安全に戻れる見込みが立たなくなり、当初は8日程度で帰還する予定だった宇宙飛行士は、ISSに足止めされたまま。それでもボーイングは強気の姿勢を見せていました。
ボーイング社のコメント ボーイング社のコメント「私たちは宇宙飛行士を乗せて安全に帰還する能力に引き続き自信を持っています」
ところが、安全性への懸念はぬぐい切れず、NASAは24日に宇宙飛行士を乗せて帰還することを断念しました。
安全性への懸念はぬぐい切れず ネルソン長官「2人を国際宇宙ステーションに残し、ボーイングのスターライナーを無人で帰還させるという決定は安全を考え尽くした結果です。我々が最も重んじ目指すのは安全なのです」
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■8日間の予定が8カ月間の宇宙滞在に■8日間の予定が8カ月間の宇宙滞在に
スペースX社の「クルードラゴン」代わりに白羽の矢が立ったのがイーロン・マスク氏率いるスペースX社の「クルードラゴン」です。
帰還は来年2月になる見込み実績のある宇宙船ですが、宇宙飛行士の帰還は来年2月になる見込みで、8日間の予定だった宇宙滞在は8カ月間にも及ぶことになります。
スニ・ウィリアムズ宇宙飛行士 スニ・ウィリアムズ宇宙飛行士「私たちはたくさん訓練を積んできたので、宇宙船で問題なく帰還できると確信しています」
スペースシャトルの引退後、NASAはボーイングとスペースXの2社に宇宙船の開発を委託していました。
計画の練り直しを迫られる可能性2社を競わせることで技術革新やコスト削減につなげる思惑もありましたが、アメリカの民間主導の宇宙開発戦略は大幅な計画の練り直しを迫られる可能性があります。
（「グッド！モーニング」2024年8月26日放送分より）
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