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<オーストラリアの男性がクジラにぶつかられる事故が発生。この時期はザトウクジラやミナミセミクジラが現場周辺を回遊しているという>
オーストラリアで、海で釣りをしていた男性のボートのすぐそばをクジラが通り、その際に尾びれで顔をはたかれて病院に搬送される事故が起きた。幸い男性は軽傷だというが、クジラにその気がなくともあの巨体で衝突されれば無事では済まない。ただ船舶との衝突事故は、クジラの方にも深刻な被害をもたらすという。
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8月18日の朝、クイーンズランド州ブリスベンから南へ約95キロの海洋で、友人と小型ボートに乗って釣りをしていた30代の男性が、クジラに遭遇し、尾びれで頭部を殴られた。男性は意識を失ったが、幸い海に落ちることはなく、友人がすぐに救急隊を呼んだ。
クイーンズランド州救急サービスの上級救急隊員スコット・ブラウンは、今回の事故について「極めて珍しい」出来事だと報道陣に語った。地元メディア「News.com.au」によると、「こんなことが起きるなんて、誰もが信じられない思いになるはずだ」とブラウンは述べた。
「2人で朝釣りをしていたら、突然クジラの尾びれが現れ、1人の頭を打った。クジラがあれだけ接近してきて、しかもボートの上でクジラの尾で打たれるなんて」
水上警察と救急隊員が現場で救助にあたり、男性はゴールドコースト大学病院に搬送された。男性は顔に軽傷を負ったものの、それ以外は無事だった。
「あの程度の怪我で済んだのは非常に幸運だった」とブラウンは述べた。また、男性の様子について「痛みがあり、残念に思っている」と説明し、「何が起きたのか信じられなかった。起きたことすべては覚えていないが、良い意味でだ」と述べた。
衝突事故でクジラ側が受けるダメージは?
男性が遭遇したクジラの種類は確認されていないが、オーストラリアの東海岸では現在、ザトウクジラが回遊している。ザトウクジラほど多くはないが、ミナミセミクジラもこの時期、クイーンズランド州沿岸を回遊している。
ブラウンは、「この時期はクジラが多く、何が起きてもおかしくないことが今回の事故で証明された」と警戒を呼びかけた。
クジラと船が衝突した事故では、死者も出ている。昨年9月、オーストラリアのニューサウスウェールズ州沖でクジラが船を転覆させ、乗っていた男性が死亡した。
大型のボートや船舶が絡む事故の場合、たいていはクジラの受ける被害のほうが大きい。大型船に衝突したクジラは骨折や内臓損傷、重度の外傷を負い、即死したり座礁したりする。
深い切り傷や骨折、内出血など致命傷に至らない傷を負った場合も、クジラは長く苦しみ、生存の可能性は低くなる。
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