日系人として初めてアメリカ連邦議会の議員を務め、日米の友好親善に尽力したダニエル・イノウエさんの記念館が、イノウエさんの父親の出身地である福岡県八女市に完成しました。

ダニエル・イノウエさんは、日系2世としてハワイで生まれ、日系人として初めてアメリカ連邦議会の議員を務めた人物です。

ダニエルさんの父親が、現在の八女市上陽町の出身であることから、その歴史的なつながりと、ダニエルさんのさまざまな功績を広く知ってもらおうと、記念館が作られました。

記念館では、日系人の地位向上や日米関係の強化に尽力したダニエルさんの生涯が貴重な資料と共に紹介されている他、生前、愛用していた日本製の食器などが展示されています。

◆記者リポート
「施設の中には、太平洋戦争中にハワイで暮らしていた日系人が経験した苦難の歴史を紹介する本も展示されています」

太平洋戦争中、ダニエルさんは「敵国の国民」としてハワイの日系人が強制収容所に送られる中、アメリカへの忠誠を示そうと陸軍に入隊。

激しい戦闘の中で右腕を失いました。

ダニエルさんの遠い親戚にあたる井上和枝さん(84)は、今から31年前、福岡を訪れたダニエルさんと面会。

戦時中に「違う人種」の兵士に命を助けられた経験が、ダニエルさんの行動の原点であることを直接、聞いたといいます。

◆ダニエル氏の親戚 井上和枝さん
「自分には黒人の血がいっぱい入っている。『あの方たちが輸血してくれなかったら自分は亡くなっていた』と言っていた。(ダニエル氏は)立派な方だったから、それを知っていただきたいです」

23日の式典に参加した在福岡アメリカ領事館のチュカ・アシーケ首席領事も、ダニエルさんが政治家として残した大きな功績に感銘を受けたといいます。

◆在福岡アメリカ領事館 チュカ・アシーケ首席領事
「この記念館はダニエル・イノウエ氏が、日米の関係強化に尽力した証である。多くのアメリカ人観光客にも、この場所を訪れてほしい」

今も多くの人の記憶に残り続けているダニエル・イノウエさん。

その足跡をたどることができる記念館「ダニエル イノウエミュージアム」は、福岡県八女市上陽町に25日オープンします。

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