韓国・ソウル市の観光地・明洞(ミョンドン)。
日本人観光客も多く集まる人気スポットで22日に行われていたのは全国民防衛訓練。

北朝鮮による空襲を想定した訓練で、実際に空襲警報のサイレンが鳴らされます。

地下鉄付近では、通行人を誘導する様子も。

この訓練に居合わせた日本人観光客は「(Q. 携帯は鳴った?)鳴りました。(避難誘導されて)日本にはないから、そういう意識があるのがすごい」と話しました。

こうした中、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の行為に驚きの声が上がる事態となっています。

先週、朝鮮中央テレビで放送された映像に映っていたのは、黒塗りの車で現れた金総書記。
向かった先は子供たちが授業を行う施設です。

盛大な拍手を受け、着席した金総書記。
その横に置いてあったのは、たばこと灰皿です。

もともと用意されていたかのように置かれたたばこですが、周りの側近も気にとめていない様子。

この場所は、被災した子供たちが授業を受けるための臨時施設。

北朝鮮北部で発生した台風による洪水被害のお見舞いとして、金総書記は授業参観に訪れていたのです。
喫煙するそぶりは見せませんでしたが、子供たちのいない教室では煙が出たたばこと灰皿が。

北朝鮮では、2020年に禁煙法が制定され、公共施設や教育の場での喫煙が禁止されています。

金総書記とたばこを巡っては、他にも。

7月に公開された、水害現場の視察に向かう際の映像では、両手を支えられながらゴムボートに乗り込みます。
その片手には、たばこが握られていました。

途中、ボートが大きく揺れ枝が頭にぶつかりますが、この瞬間もたばこは持ったまま。
片時たりとも、たばこを手放しません。

なぜ学校でも、災害現場でも、たばこを持っていたのでしょうか。

北朝鮮情勢に詳しい龍谷大学・李相哲教授は「金正恩総書記はニコチン中毒だと韓国当局はみている。いろいろな証言で分かっていることは1日80本以上たばこを吸っている。なりふり構わず、場所と時間関係なく、ずっと吸っている」と話します。

さらには、「たばこを吸う姿を見せることで、自分は特別な存在だと誇示する側面もあるのではないか」との見方も。

健康状態を不安視する声も上がる中、金総書記がたばこを手放す日は来るのでしょうか。

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