米民主党全国大会に集まった人たち=中西部シカゴで21日、AP

 米民主党の全国大会は21日、中西部イリノイ州シカゴで3日目を迎え、11月の大統領選で党の副大統領候補となったウォルズ・ミネソタ州知事(60)が指名受諾演説をする。

 白人のウォルズ氏は陸軍州兵、高校教師、アメリカンフットボールのコーチという米国で好感される経歴を持つ。一方でこれまで全国的には著名とは言えず、受諾演説を通じて知名度向上を図る。とりわけ激戦州での白人労働者層への浸透を狙う。

 副大統領候補は従来、大統領候補に欠けている点を補ったり、選挙戦略の観点から選ばれたりすることが多い。大統領候補のハリス副大統領(59)は西部カリフォルニア州出身でジャマイカ系黒人の父とインド系の母を持ち、「多様性」を体現する存在だ。

 一方で、選挙戦では東部や中西部の白人労働者層の動向が鍵を握るとみられている。ウォルズ氏は2007年から6期務めた下院議員時代に、ミネソタ州の保守的な農村地域を地盤としており、白人労働者層への浸透が期待されている。

 大会3日目のテーマは「自由のための闘い」。ハリス氏がいかに米国の自由のために闘ってきたのかや、ウォルズ氏が副大統領候補となった理由、労働者層のために取り組んできた実績などをアピールする。

 ビル・クリントン元大統領や党有力者のペロシ元下院議長らも演説する。【シカゴ松井聡、秋山信一】

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