チェチェンの特殊部隊養成学校を訪ねたプーチンと隣りに立つカディロフ(8月20日)Sputnik/Vyacheslav Prokofyev/Pool via REUTERS

<クルスク州の奇襲を受けて国土防衛のための兵士が必要になったプーチンは、めったに訪れないチェチェン共和国を自ら訪問、特殊部隊の学校を訪ねた>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は8月20日、チェチェン共和国を電撃訪問し、同共和国の指導者で、ロシア政府にとって長年の盟友であるラムザン・カディロフ首長と会談した。

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ロシア連邦内にあってイスラム教徒が大半を占めるこの共和国をプーチンが訪れたのは、2011年以来初めてとなる。今回の訪問は、ロシア西部クルスク州へのウクライナ軍侵攻をロシア軍が食い止めようとしている最中の出来事でもある。

ウクライナは8月6日、クルスク州への越境攻撃を開始。ウクライナ軍の奇襲を受けて、数千人のロシア人がクルスク州やその周辺地域から避難した。

AP通信によると、プーチンは、チェチェンにある自身の名を冠した「プーチン記念特殊部隊大学」を訪れ、ウクライナでの戦闘に派遣される戦闘員たちと話をしたという。

プーチンは兵士たちに対して、彼らのような部隊がある限りロシアは「無敵」である、と語ったと伝えられている。

カディロフは、チェチェン国内における「数々の重大な人権侵害」に関与したとして、2020年に米国務省から制裁を受けた人物だが、ウクライナで戦うために数千人規模の軍隊を派遣した、と以前に発言している。

予備兵が数万人

AP通信は、ロシア国営メディアの報道を引用しつつ、カディロフは8月20日の会談でプーチン大統領に対し、ウクライナ軍と戦う用意のある「数万人」の予備兵がいると語ったと伝えた。

カディロフは、自身のテレグラムチャンネルへの投稿でプーチンとの会談について語り、プーチンが2022年にウクライナで「特別軍事作戦」を開始して以降、4万人以上の戦闘員が、特殊部隊大学で訓練を受けてきたと述べた。

一方8月19日には、クルスク地域でロシア軍の兵站を支えるために使用されてきたセイム川にかかる3つの橋を、ウクライナ軍がどのように破壊したかの詳細が新たに報道された。

ロシア政府によれば、米国が供給したHIMARS(高機動ロケット砲システム)が、少なくとも1つの橋を破壊するために使われたという。

8月18日には、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領も、クルスクで進行中の攻撃作戦について演説し、「ロシアの戦力を可能な限り破壊することが、防衛作戦全体における現在の主要任務である」と述べた、と『キーウ・インディペンデント』は報じている。

「とりわけ、侵略者の領土に緩衝地帯を作ること。それが、クルスク州における我々の作戦だ」とゼレンスキーは付け加えた。

(翻訳:ガリレオ)

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