人質解放に向けて協力を呼びかけるノア・アルガマニさん(右)と父ヤコブさん=東京都千代田区で2024年8月20日、松本紫帆撮影

 パレスチナ自治区ガザ地区でイスラム組織ハマスの人質として拘束されていたイスラエル人女性、ノア・アルガマニさん(26)が20日、超党派の日本イスラエル友好議員連盟の中谷元会長(自民党)らと東京都内で面会し、報道陣の取材に応じた。ノアさんは「すべての人質が家へ帰れるよう、助力してほしい」と呼びかけた。

 イスラエル軍とハマスの戦闘では、ガザ側の死者が4万人を超えた。イスラエル側の死者は約1200人だ。ノアさんは「(双方の)大勢が傷付いている。平和が訪れることを願っている」と思いを述べた。

 ノアさんは昨年10月7日、イスラエル南部で野外音楽祭に参加した際、越境攻撃してきたハマス戦闘員に拉致された。約8カ月の拘束を経て、今年6月、イスラエル軍に救出された。

 拘束中は戦闘激化に伴って、ガザ各地を転々とさせられていたという。1月には滞在中の民家で軍の爆撃にも巻き込まれた。

 「けがの手当てを受けられないまま過ごすしかなく、今も体調は万全ではない」と語り、「人質たちは毎日、命の危険にさらされている」と一刻も早い救出を訴えた。

 ノアさんの母リオラさんは脳腫瘍を患い、ノアさんと再会を果たしてから約3週間後に亡くなった。「ずっと母のことを考えていた。最後に会うことができて良かった」と振り返った。【松本紫帆】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。