選挙関連のイベントで話す共和党のトランプ前米大統領=2024年8月19日、AP

 米連邦捜査局(FBI)などの情報機関は19日、共和党のトランプ前大統領の陣営がハッキング被害に遭った事件について、イランによるものだと断定する声明を出した。トランプ氏側はイランの関与を主張していたが、政府機関として確認したのは初めて。

 声明は、FBIと国家情報長官室、国土安全保障省サイバー・インフラ安全局が共同で発表した。

 3情報機関は、イランが11月の米大統領選を自国の安全保障にとって重要だと認識していると指摘。イランは「米国の民主主義制度への信頼を損なおう」としており、米国民を標的とした影響力工作や選挙陣営へのサイバー攻撃などを活発化していると強調した。トランプ氏陣営へのハッキングも「これに含まれる」とした。

 また、イラン人らが「(民主、共和)両政党の陣営に直接つながっている人物へのアクセスを探し求めていた」とし、民主党のバイデン大統領、ハリス副大統領の陣営にも同様の行為を試みようとしていたとの見方を示した。

 トランプ氏は10日、自身のネット交流サービス(SNS)で、米マイクロソフト社から「ウェブサイトの一つがイラン政府にハッキングされた」との通知を受けたと説明。「イランは公にされている情報しか得ることができなかったが、こうしたことをすべきではない」などと批判した。【ワシントン西田進一郎】

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