米民主党全国大会に姿を見せたハリス副大統領=米中西部シカゴで19日、AP

 11月の米大統領選に向けた民主党の全国大会が19日、中西部イリノイ州シカゴで開幕した。大統領候補に指名されたハリス副大統領(59)のもとで結束を強調し、支持率で拮抗(きっこう)する共和党のトランプ前大統領(78)への対決姿勢を鮮明にする。

 大会は22日までの4日間。初日は、2016年の大統領選で民主党候補として女性初の大統領を目指すもトランプ氏に敗れたヒラリー・クリントン元国務長官が演説した。再選を断念したバイデン大統領も登壇する。

 ハリス氏は開幕に当たって短時間あいさつし、「大切な理想のために戦おう。私たちは戦えば常に勝利することを、忘れないでいよう」と支持を呼びかけた。

 2日目以降は大統領経験者のオバマ、ビル・クリントン両氏に加え、人気が高いオバマ氏の妻ミシェル氏らも登壇する予定だ。22日にはハリス氏が、21日には副大統領候補のウォルズ・ミネソタ州知事が、それぞれ指名受諾演説をする。

 一方、大会の会場近くでは19日、パレスチナ自治区ガザ地区で続くイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘を巡り、イスラエルの後ろ盾となってきたバイデン政権を批判したり、停戦を求めたりするデモがあった。数千人が参加し、「バイデン政権はイスラエルへの兵器供給を停止すべきだ」などと訴えた。

 南部テキサス州からデモに参加したパレスチナ系で医師のロワン・カラワンさん(40)は「ハリス氏もバイデン政権の一員として、ガザで市民が犠牲になっていることへの責任がある。人道状況の悪化を懸念するのならば、言葉ではなく、今すぐ行動で示すべきだ」と語った。【シカゴ松井聡、秋山信一】

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