米民主党全国大会の会場の近くに掲げられた告知=中西部イリノイ州シカゴで2024年8月18日、松井聡撮影

 11月の米大統領選に向けた民主党の全国大会が19~22日、中西部イリノイ州シカゴで開かれる。大統領候補のハリス副大統領(59)と、副大統領候補のウォルズ・ミネソタ州知事(60)が、それぞれ指名受諾演説を行う。

 ハリス氏の候補指名で勢いに乗る民主党は結束を強調し、共和党のトランプ前大統領(78)の打倒に向けて弾みをつける狙いだ。

 ハリス氏が22日に、ウォルズ氏が21日に演説する。両氏が目指す国家像や外交などの政策について、どのように訴えるのかが注目される。

 米メディアによると、大会では両氏のほか、再選出馬を断念したバイデン大統領(81)が初日に基調演説する。大統領経験者のオバマ、ビル・クリントン両氏に加え、ヒラリー・クリントン元国務長官、人気が高いオバマ氏の妻ミシェルさんらも登壇する。

 一方、会場近くでは、パレスチナ自治区ガザ地区で続く戦闘を巡り、イスラエルの後ろ盾になってきたバイデン政権に抗議するデモが計画されており、混乱する可能性もある。

 今回、民主党の候補指名は異例の展開をたどった。バイデン氏は党内の圧倒的な支持で党候補になったものの、6月下旬のテレビ討論会で精彩を欠き、高齢による衰えへの懸念が再燃した。約3週間後に撤退を表明し、後継にハリス氏を推薦した。

 党内はすぐに、選挙資金や政策を引き継げるなど「最も現実的な候補者」だったハリス氏の支持でまとまり、予備選を経ずに指名された。多くの支持者は「世代交代」を歓迎し、選挙キャンペーンは盛り上がりを見せる。

 複数の世論調査でも、トランプ氏にリードを許していたバイデン氏から一転して、ハリス氏がトランプ氏を若干上回ったり、激しく追い上げたりする結果が出ている。この勢いで支持拡大を続けられるのかが焦点だ。【シカゴ松井聡】

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