イスラエル軍の空爆により立ち上る黒煙=パレスチナ自治区ガザ地区南部ハンユニスで2024年8月16日、ロイター

 パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘終結を目指し、カタールの首都ドーハで行われていた協議は16日、終了した。仲介した3カ国の共同声明によると、米国はイスラム組織ハマスとイスラエルに合意に向けた新たな停戦案を提示した。双方の主張の溝を埋めるものだとしている。来週にもエジプトの首都カイロで改めて協議するという。

 協議終了後、米政府高官は停戦交渉が「大詰めを迎えている」との認識を示した。米国のブリンケン国務長官は19日、イスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と会談する予定だ。

 新たな停戦案の詳細は不明だが、5月末にバイデン米大統領が発表した3段階の停戦案がベースだという。米ニュースサイト「アクシオス」によると、イスラエルとハマスの要求内容を一部認め、隔たりを埋めるものとなっている。イスラエル側は7月下旬、ガザ南部から北部に住民が戻る際の戦闘員の流入防止策などを要求したが、ハマス側は難色を示していた。 

 イスラエル首相府は16日、「仲介国がハマスに圧力をかけて、合意の詳細が実行されることを望む」との声明を出した。一方、ハマス幹部は中東メディアに「イスラエルに過去の提案を履行するように求める」と従来の主張を繰り返した。【エルサレム松岡大地】

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