11月の米大統領選に向けて、中西部ミシガン州での選挙集会で演説する民主党のハリス副大統領=2024年8月7日、AP

 米選挙分析機関「クック・ポリティカル・リポート」は14日、11月の大統領選の接戦7州を対象にした最新の世論調査で、民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)の支持率が、5州で共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)を上回ったと発表した。1州は互角、1州はトランプ氏がリードしている。

 7月に出馬を断念したジョー・バイデン大統領(81)に代わって党候補となったハリス氏が、急速に支持を伸ばしている状況が浮き彫りになった。

 7月下旬~8月上旬に実施された調査によると、ハリス氏は中西部ミシガン、ウィスコンシン両州▽東部ペンシルベニア州▽西部アリゾナ州▽南部ノースカロライナ州――で、トランプ氏を各2~5ポイント上回った。南部ジョージア州は互角で、西部ネバダ州ではトランプ氏が上回った。仮に選挙結果が今回の調査と同様なら、ハリス氏が勝利する計算になる。

 民主党候補をバイデン氏と仮定した5月の同様の調査では、トランプ氏は7州のうち6州で各3~8ポイントリードしており、ハリス氏への候補差し替えの効果が表れた形だ。同機関は5月からハリス氏の好感度が大幅に改善し、「好感がある」と「ない」が同数になったことが支持上昇の一因だと指摘した。

 今回の調査では、女性や大卒以上の学歴がある男性はハリス氏、学歴が高卒以下の男性はトランプ氏の方が支持率が高かった。

 勝敗のカギを握る無党派層の支持率は、ハリス氏(43%)がトランプ氏(34%)を上回った。無所属で出馬を目指す弁護士のロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)も12%の支持を得ており、2大政党への不信感もにじんだ。

 政策別での信頼度では、人工妊娠中絶▽民主主義の擁護▽医療、年金制度の保護――はハリス氏、国境・移民政策▽経済▽物価▽犯罪対策▽外交――ではトランプ氏が上回った。

 黒人は約7割がハリス氏、約2割がトランプ氏を支持。中南米系はほぼ互角で、トランプ氏が従来民主党を支持する傾向が強かったマイノリティー(人種的少数派)の支持を伸ばしている傾向も浮かび上がった。【ワシントン秋山信一】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。