米西部アリゾナ州で大統領選に向けた選挙集会に臨む民主党のハリス副大統領=2024年8月9日、AP

 11月の米大統領選で勝敗のカギを握る「ラストベルト(さびついた工業地帯)」の接戦3州で8月上旬に行われた米紙ニューヨーク・タイムズの世論調査で、民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)が共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)を僅差で上回った。

 民主党は7月にジョー・バイデン大統領(81)が出馬を断念。ハリス氏の指名が確定的になって以降、支持者の熱気が高まり、勢いづいている。

 調査は8月5~9日、中西部ミシガン、ウィスコンシン、東部ペンシルベニアの3州で行われた。「投票する予定」と答えた登録有権者の間で、ハリス氏の支持率はいずれも50%で、トランプ氏(46%)を上回った。

 無所属で出馬を目指す弁護士のロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)ら他候補を選択肢に含めた場合でも、ハリス氏が2~6ポイントリードした。4~5月の同様の調査では、トランプ氏がミシガンを除く2州でバイデン氏をリードしていた。

 トランプ氏の陣営は10日の声明で「調査対象には20年大統領選で(トランプ氏ではなく)バイデン氏に投票した人の方が多く含まれている。トランプ氏への支持を押し下げる意図がある」と調査手法を批判した。

 一方、ハリス氏の陣営は「勢いはあっても、選挙戦では我々が不利な状況だ。非常に僅差の選挙になる」と引き締めを図った。

 大統領選では南部ジョージア、西部アリゾナ、ネバダ各州も接戦が予想されるが、トランプ氏の支持はラストベルトの3州よりも高い傾向にある。民主党は南部や西部を落としても、ラストベルトの3州を制すれば勝てると見込んでおり、選挙広告の展開や戸別訪問に力を入れている。【ワシントン秋山信一】

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