イスラエル軍に攻撃された学校の被害状況を確認するパレスチナの人々=パレスチナ自治区ガザ市で2024年8月10日、ロイター

 中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」は10日、パレスチナ自治区ガザ地区北部にあるガザ市の学校がイスラエル軍の空爆を受け、100人以上が死亡したと報じた。軍はイスラム組織ハマスの指揮所を狙ったと主張しているが、学校には多数の住民らが避難していた。米国などは停戦協議の再開を呼びかけているが、ハマスがさらに態度を硬化させる恐れがある。

イスラエル軍の空爆による犠牲者に祈りをささげる人々=ガザ市で2024年8月10日、ロイター

 アルジャジーラによると、空爆があった際、学校では住民らが夜明け前の礼拝をしていた。火災が発生し、建物内に人が閉じ込められたが、水の供給がなく救助活動ができなかった。犠牲者には子どもや女性、高齢者も含まれるという。

 ガザ当局は「虐殺だ」と攻撃に強く反発。米国やカタールと停戦交渉を仲介するエジプト外務省は「イスラエルは非武装の市民を故意に殺害しており、ガザでの戦闘を終わらせる政治的意思を欠いている」と非難する声明を発表した。

 イスラエル軍は、ハマスが拠点にしているとして、学校への攻撃を繰り返している。国連によると、7月上旬時点で、ガザ地区にある学校の8割強にあたる477校が直接攻撃を受けたり、被害を受けたりした。昨年10月に戦闘が始まって以降、ガザ側の死者は4万人近くに上っている。

 米国など3カ国は8日に発表した共同声明で、15日に交渉を再開するよう求めた。イスラエルは代表団派遣を表明したが、7月末に最高指導者ハニヤ氏を殺害されたハマス側は態度を明らかにしていない。【エルサレム松岡大地】

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