盛り上がりを見せるパリオリンピック™ですが、その一方でパリでは生活の場所を失った人たちもいます。

パリ市内に設置された観戦ゾーン。チケットは、連日完売の盛り上がりようです。

来場者
「史上最高のオリンピックです。盛り上がっているし素晴らしい」

しかし、そのすぐそばに、熱狂とはかけ離れた現実があります。

路上生活者の支援団体「メダルの裏側」 ポール・アロジー代表
「ここもそしてここにも、柱と柱の間にも、テントがあり人が寝ていました。開会式の10日ほど前に、警察官が取り囲み、(路上生活者に)バスに乗るように言ったのです」

開会式直前、およそ100人の路上生活者が立ち退きを命じられたといいます。

また、別の場所では・・・。

記者
「ここはファンゾーンから数百メートルほど離れた高架下です。ここには移民たちが野宿をしていたということですが、立ち退きが命じられ、今はオリンピックを見る人のための駐輪場になっています」

この高架下には、アフリカからの移民などおよそ150人が暮らしていました。そんな路上生活者の多くを、フランス政府は、パリから離れた10の地域に一時的な収容施設をつくってバスで移動させたのです。

立ち退きを強いられた路上生活者は、今年4月までの1年間でおよそ1万2500人にのぼり、2年前に比べ4割ほど増えたといいます。

スーダンからの移民
「私には住む場所なんてありません。路上暮らしです」

当局は「オリンピックとは関係がない」と話しますが、支援団体は“社会的に困窮する人を隠す行為だ”と批判します。

路上生活者の支援団体「メダルの裏側」 ポール・アロジー代表
「(五輪で)盛り上がるのは悪いとは思いません。ただ社会はこの現状を知り、路上生活を送る全ての人が支援されるよう当局に求めるべきです」

華やかなオリンピックの陰で、移動を余儀なくされた路上生活者たち。その場限りではない息の長い対策が求められています。

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