バングラデシュのハシナ首相辞任を受けて、暫定政権を率いることが決まったノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏が8日、治療を受けていたフランスから帰国した。ダッカの国際空港で撮影。(2024年 ロイター/Mohammad Ponir Hossain)

バングラデシュで8日、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏率いる暫定政権が発足した。ハシナ首相の辞任と国外逃亡につながった抗議デモによる混乱から国を立て直す意向を示した。

ユヌス氏は暫定政権の首席顧問として、国の安定回復と新たな議会選挙実施に取り組む。


 

就任後の国民向け演説で「残忍な独裁政権は終わった」と表明。「政党に関係なく、民主主義、正義、人権、恐れのない表現の完全な自由が全ての人に与えられる。それがわれわれの目標だ」と述べた。

ユヌス氏は同日、治療を受けていたフランスから帰国し、ダッカの空港で軍の幹部や学生リーダーらの出迎えを受けた。学生のデモ隊が国を救ったとし、「学生たちがどんな道を示しても、それに従って前進する」と表明していた。

ユヌス氏は暫定政権の顧問13人と共に大統領官邸で宣誓就任した。抗議デモを主導した学生リーダー2人が名を連ねた一方、ハシナ氏が率いてきた政党「アワミ連盟(AL)」のメンバーは含まれていない。当局者によると、今後さらに3人の顧問が就任する予定。

ユヌス氏は貧困層に無担保で少額融資をする「グラミン銀行」を立ち上げたことで知られ、貧困撲滅に貢献した功績で2006年にノーベル平和賞を受賞している。



[ロイター]


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