ウクライナ東部ドネツク州の集落で、ロシア軍のミサイル攻撃で破壊された集合住宅(ロイター)

ロシアによるウクライナ侵略で、露国防省は21日、全域の制圧を狙うウクライナ東部ドネツク州の集落ボグダノフカを制圧したと主張した。ボグダノフカは露軍の次の制圧目標とされる高台の要衝チャソフヤルの近郊に位置している。ボグダノフカ制圧が事実であれば、ウクライナ軍の武器弾薬不足を背景に、露軍が最前線の東部で優勢にあることが改めて示された形だ。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、米NBCテレビのインタビューに応じ、ロシアが第二次大戦の対ドイツ戦勝記念日とする5月9日までにチャソフヤルの制圧を狙っているとの見方を示した。

ゼレンスキー氏はその上で「われわれは持ちこたえる。兵器が到着すれば敵を撃退する。その後、6月にも始まる見込みの露軍の大規模攻勢を打ち破る」と発言。米下院で可決されたウクライナ支援予算案が早期に成立し、兵器供与が再開される必要性を訴えた。

チャソフヤル方面での戦いに関し、独大衆紙ビルトは今月21日、「ウクライナ軍には対空ミサイルが残っていない」とする専門家の分析を伝えた。数カ月前はウクライナ軍の対空ミサイルが露軍の爆撃機の飛来を防いでいたが、最近は露軍の爆撃機が低空飛行してウクライナ軍の陣地を空爆しても、ウクライナ軍は反撃できていないという。

ビルト紙はまた、ドネツク州の州都ドネツク近郊の小都市クラスノゴロフカの30%を露軍が支配下に置いたもようだとも伝えた。

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