未曽有の災害に襲われている北朝鮮で目撃されたのは、仁王立ちで花火を見つめる最高指導者・金正恩(キム・ジョンウン)総書記の姿です。

7月末、記録的な大雨に襲われた北朝鮮。

災害現場を視察した金総書記は、車が水没しながらも鋭い視線で被害を見つめ、自らボートに乗り込むと頭に枝が接触。
それでも険しい顔で視察を続ける姿などが、たびたび目撃されていました。

そんな中、朝鮮中央テレビが伝えたのは、金総書記が出席して行われた新型戦術弾道ミサイルの発射台250台を配備する式典。

まるでロックバンドのような演奏が始まると、無数のドローンが飛び、夜空に北朝鮮の旗が浮かびます。
そして、ド派手な花火が打ち上がりました。

その式典に世界が注目するあの女性の姿が。

笑顔の金総書記が手をつないでいるのは、金総書記の娘・ジュエ氏とみられます。

韓国の国家情報院が、現時点で「有力な後継者」としたうえで、次期指導者になるための教育を受けているとの見方を示す人物です。

2023年、事実上初めて市民にお披露目されたとみられる映像では、まだあどけなさが残っていましたが、2023年3月には日本円で28万円ほどのクリスチャンディオールのものとみられるコート。
さらに2024年5月には、二の腕辺りが透けているシースルーの服を着て公の場に現れ、北朝鮮市民とは一線を画す今風の装いが、特別な存在のアピールではないかとの憶測を呼んでいました。

今回の映像では、濃い青のジャケットスタイルで登場したジュエ氏。
足元は見えませんが、身長が金総書記にかなり近づいたように見えます。

今回、式典の放送は約32分にわたりましたが、ジュエ氏の登場シーンは1分43秒。

「有力な後継者」とされているにもかかわらず、なぜ登場シーンが少なかったのでしょうか。

北朝鮮事情に詳しい、世宗研究所韓半島戦略センター長のチョン・ソンジャン氏は「水害被害があまりにも大きく、“ジュエ氏”を前面に出すには適切な雰囲気ではない。公式の場に連れてくるだけで、存在感を表す程度にしたかったのだろう」と話しています。

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