■吉村知事に「万博開催中のIR工事中断」を要請

大阪・関西万博の開催中にも、「IR」=カジノを含む統合型リゾートの工事を進めることについて、博覧会国際事務局は関西テレビの取材に「2019年から懸念を示していた」と話しました。

IRは万博会場の北側で、2030年の開業を目指して整備が行われています。

万博の開催中も工事が行われますが、景観の悪化や騒音の懸念から博覧会協会の幹部は7月下旬、大阪府の吉村知事に開催中の工事を中断するよう要請。


■「2019年から懸念を示してきた」と、博覧会国際事務局

BIE=博覧会国際事務局は、関西テレビの取材に対し、開催中の工事について「休止を求める」としたうえで、「2019年から大阪府市などに懸念を示してきた。夢洲の開発より万博の成功が最優先である」と話しました。

かねてから懸念を示していたBIEに対して、IR事業を進める大阪府・市は、十分に情報共有をしていたのでしょうか。

■大阪市の横山市長は…

【大阪市・横山英幸市長】「(万博もIRも)かなり大きなイベントで、関係者が多岐にわたりますし、事業内容もかなり輻輳(ふくそう=1カ所に集中して混雑すること)しますので、全ての状況を全員の関係者が100%把握しておくのは、かなり現実的には難しいことだと思います。ご指摘に関しては、実際共有できていなかったとしたら(指摘は)当然なので、より丁寧な説明をしていかないといけないと思う」

■吉村知事は「万博とIRの両立は共有されていた」との考えを示す

また吉村知事は6日の会見で、万博開催中の工事をどうするのかについて、BIEのケルケンツェス事務局長に直接言ったことはないと明かした上で…

【大阪府・吉村洋文知事】「直接、ケルケンツェス局長と僕や松井市長(当時)がなぜ言わなかったのかと言われれば、みなさん共有していることだろうということで、議題にも上らなかったのではないかなと僕は思っています」

こう述べて、万博とIR工事の両立は、当初から共有されていたとの考えを示しました。

■大阪府・市などの説明不足が原因か

大阪府・市など関係者の説明不足が招いた今回の事態。

大阪府と大阪市は、今週中にもIR事業者と対応を協議する予定ですが、折り合いがつくか見通しはついていません。

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