(画像はイメージです)Kanenori-Pixabay
<パリ五輪サーフィン競技で撮影された「一枚の写真」に世界が熱狂。カメラマンは「コンディションは完璧だった」と振り返る>
たくさんの人が、フォトショップで加工したとか、AIで生成したとか言っているが、どちらも違う。
【写真】空中浮揚!? パリ五輪サーフィン「奇跡の一枚」
フランス通信社(AFP)のフォトジャーナリストであるジェローム・ブルイエは7月29日、パリ五輪の象徴になるかもしれない写真を撮影した。
サーフィン競技のブラジル代表、ガブリエル・メディナ選手が、フランス領ポリネシアのタヒチ島でオリンピック記録を樹立したライディングの後、波の上に浮揚しているように見える一枚のことだ。
写真では、メディナが空中で停止しているように見える。右腕で空を指さし、近くにはサーフボードが浮いている。
この驚くべき一枚は、メディナが、タヒチのサーフポイント「チョープー」で2メートルの波に乗り、9.9点のスコアをたたき出したときに撮影されたものだ。太平洋に浮かぶタヒチは、ビッグウェーブでサーファーたちを魅了してきた場所として、サーフィン競技の開催地に選ばれた。
ブルイエはガーディアン紙の取材に対し、撮影できたものについて「少しばかり衝撃を受けた」と語っている。
「コンディションは完璧だった」とブルイエは振り返る。「波は予想以上に高かった」
ブルイエは近くのボートから競技を撮影していた。
「メディナは波に隠れていて見えなかったが、飛び出してきたときに4枚の写真を撮影した。その1枚がこれだ」とブルイエはガーディアンに語った。「写真を撮ること自体は難しくなかった。ガブリエルが、いつどこで波から出てくるかを予測することの方が難しかった」
ブルイエが撮影した写真はカメラから編集者に自動送信されるため、すぐに反応を受け取ることになった。
「撮影後、6分間の休憩中に携帯電話をチェックしていたら、ソーシャルメディアにたくさんの通知が来ていたため、この一枚で何かが起きているのだと思った。そして、ESPN(アメリカのスポーツ専門チャンネル)で共有されているとわかり、『クールだ』と思った」とブルイエは説明する。
「この写真はとてもクールなナイスショットで、多くの人に愛されている。よくあるサーフィンの写真ではないから、より多くの注目を集めているのだろう」
サーフィンは2021年の東京五輪から採用された競技だ。メディナは東京五輪を4位で終え、オーストラリア代表のオーウェン・ライト選手に、わずかな差で銅メダルを譲った。
サンパウロ生まれのメディナは、ワールド・サーフ・リーグ(WSL)で3度優勝している。2009年には、15歳でメジャー大会優勝の最年少記録を打ち立てた。
その2年後、WSLのチャンピオンシップ・ツアーに参戦。2015年以降、メディナはチャンピオンシップ・ツアー最多優勝を果たしている。またメディナはリオデジャネイロの大会で、「バックフリップ」と呼ばれる技を初めて成功させたことでも知られる。
ブルイエが象徴的な一枚を撮影したパリ五輪の第3ラウンドで、メディナは20満点中17.40点という合計スコアで、日本代表の五十嵐カノア選手を下した。
メディナ自身もこの写真をインスタグラムで共有し、31日の時点で600万件近い「いいね!」を獲得している。メディナはこの写真に、新約聖書ピリピ人への手紙4章13節を添えている。「私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです」
メディナはパリ五輪の準々決勝で同じブラジルのジョアン・チアンカと対戦する。
(翻訳:ガリレオ)
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