米共和党のドナルド・トランプ氏=2024年7月18日、秋山信一撮影

 11月の米大統領選で返り咲きを目指す共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)は30日、保守系ラジオ局のインタビューで、民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)は「ユダヤ人が嫌いだ」と述べた。番組ホストがハリス氏の夫でユダヤ系のダグ・エムホフ氏(59)を「くずのユダヤ人だ」とののしると、トランプ氏も同調。民主党候補に投票するユダヤ系米国人は「あほだ」と中傷した。

 トランプ氏は、パレスチナ自治区ガザ地区への侵攻を続けるイスラエルのネタニヤフ政権とバイデン政権との関係がぎくしゃくしていることを念頭に、「まず第一に彼女(ハリス氏)はイスラエルが好きではない。第二に彼女はユダヤ人が好きではない。誰もが知っていると思うが、誰も言いたがらないことだ」と述べた。さらに「カマラはバイデン(大統領)よりもイスラエルやユダヤ人が嫌いだ」と一方的に主張した。

 ハリス氏は、出馬を断念したバイデン氏に代わって、民主党候補指名が確実視される。ハリス氏の陣営は米メディアに「米国はドナルド・トランプが発する恐怖、憎悪、卑劣な侮辱にふさわしくない。国民は米国を分断せず、団結させる大統領を望んでいると信じている」と発言を批判した。【ワシントン秋山信一】

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