南米ベネズエラで7月28日に投開票が行われた大統領選で、野党指導者 のマリア・コリナ・マチャド氏は29日、野党が73.2%の票を獲得したと述べ、野党が主張する勝利を証明したとした。写真は29日、選挙結果への抗議活動の現場で炎上する警察のバイク。カラカスで撮影(2024年 ロイター/Alexandre Meneghini )
南米ベネズエラで28日に投開票が行われた大統領選で、野党指導者 のマリア・コリナ・マチャド氏は29日、野党が73.2%の票を獲得したと述べ、野党が主張する勝利を証明したとした。
選挙管理委員会は現職のマドゥロ大統領が得票率51%で3期目の当選を果たしたとしている。
一方、独立系世論調査機関は選挙結果に疑問を呈し、野党指導者や海外の監視団は選挙管理当局に結果の詳細を公表するよう求めていた。
マチャド氏は野党の集計ではマドゥロ氏の得票数が275万票、野党候補のエドムンド・ゴンサレス氏が627万票だったと述べた。
選管当局はマドゥロ氏が515万票、ゴンサレス氏が445万票を獲得したとしている。
ベネズエラの法律では、開票を監視するため任命された人は各投票機の集計結果をコピーする権利がある。ただ、野党は投票記録の約40%しか入手できていないとし、一部の立会人が集計を妨害されていると述べていた。
29日には全土でマドゥロ大統領に抗議するデモが行われ、選管事務所の外やカラカスの大統領宮殿前にデモ参加者が集まった。参加者は「もううんざりだ、自由が欲しい」などと声を上げた。
カラカスやマラカイでは警察がデモ隊を排除するために催涙ガスを使用した。
票の集計や抗議デモに関連して29日までに少なくとも2人が死亡した。
マドゥロ氏は国営テレビで、報酬をもらった扇動家が選管事務所を攻撃したと主張。「われわれは暴力的な者を打ち負かす方法を知っている」と述べた。
パドリノ国防相は反政府デモが広がり数百人が死亡した「2014、17、19年の悲惨な状況」を繰り返してはならないと強調した。
マドゥロ氏の選対部長を務める与党議員は支持者に対し、政府を支持する行進を30日に行うよう呼びかけた。
野党のマチャド氏も30日にカラカスの国連事務所前に集まるよう支持者に訴えた。
バイデン米政権は29日、ベネズエラの選挙についてマドゥロ大統領側の「選挙操作」だと非難した。また、マドゥロ氏が勝利したとする同国当局の発表は「いかなる信頼性も失った」と述べた。
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